桜川産婦人科病棟での出会い

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「……わかったわ。 お義母様には断っておく。 でもお兄ちゃん、結婚って、そう悪いものじゃないわよ? 自分にもいつか可能性があるって事は覚えていて。最初から否定してしまわないでね?」 「……ああ。わかってる。 …………君も、それでいいか?」 君? え、私のこと? 「あ、す、すみません! 失礼な事、沢山言ってしまいました。 ただ、私は美咲さんが心配されていると伝えたかっただけなので! あの、良かったです。 …フフフ、やっぱり、兄妹って良いですね。 羨ましいです。」 私は、両親が結婚するのが遅く、やっと出来た一人娘だ。 従兄弟には恵まれて、本当の兄弟のように過ごさせてもらったから、寂しくはなかったんだけどね。 それでも、美咲さんとセンター長の遠慮のないやり取りを見ていると、ちょっと羨ましくなる。 「そう言えば……花ちゃんのところも、朝倉の跡取りを考えるとなると大変ね。」 「あ、うちは叔父に男の子が2人いるので、私は背負うものがないんです。父も甥を可愛がっていて、どちらか、と言うよりどちらにも継がせる気満々ですからね。」 「そうなんだ。 ……なるほどなるほど。 じゃあ、花ちゃんって、お付き合いしている人いないの?」
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