変な女 side寿貴

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「……そんな暇じゃないんだが…」 「あ、そう。 じゃあ、医局に持って行こうかしら。 時間が経ったら劣化して捨てるしかないからね。」 「……飲まないとは言ってない…。」 「素直じゃないわねぇ。 じゃ座って。すぐに入れるわ。 これ、花ちゃんが和菓子用に淹れたお茶のようなコーヒーなんだけど、すっごく美味しいの。 コーヒーにこんな飲み方があったなんて、ちょっと意外だったわ。 ………はい、どうぞ!」 「ああ…」 ……え? なんだこれ? お茶? いや、味も香りもコーヒーだよな。 でもこの香ばしい香り、これって… 「煮出した濃い麦茶みたいだ…」 「あ、そうだ、確かに! 昔、お祖母ちゃんが作ってくれていたやつね。 似てる似てる。 あー、だから和菓子にも合うし、なんか懐かしい感じもして、またすぐに飲みたくなるんだわ。 私コレすっごく好きな味。」 ……確かに。悪くない……。 「『松寿庵』に紹介したいわね。 周くんが飛びつきそう。 朝倉コーヒーは今まで洋菓子屋のHASEGAWAとコラボしてきたみたいだけど、この味なら和菓子屋とのコラボも有りじゃないかしら。」
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