気になる彼女 side寿貴

10/15

1197人が本棚に入れています
本棚に追加
/387ページ
「では、また明日。 …? 寿貴先生? 寿貴先生⁉︎」 「あ、ああ。 明日から宜しく頼む。 あ、そこまで送ろう。」 「え⁉︎ あ、ありがとうございます…」 …ハッ 俺は何をらしくない事言ってるんだ。 「ちょうど、育成室を見に行くつもりだったんだ。」 「あ、そうなんですね。」 ……本当にどうかしている。 「見てみたいか?」 「え?……施設をですか?」 「ああ。今なら誰もいない。」 「あ、いえ。やめておきます。 私のような部外者が興味本位で見学するのは、ちょっと違うと思うので。 こちらに来られている患者さんは、本当に真剣な気持ちで治療に当たられているはずです。医療従事者でもない私が、覗き見していいものではありません。」 「なるほど…そうだな。 いや、悪かった。まともな人ならそう考えて当然だった。」 「なんか……すみません。せっかく声をかけてくださったのに…」 舞い上がってた俺の方が申し訳ない。 花にも、患者にも…。 「気にするな。花が正しい。」
/387ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1197人が本棚に入れています
本棚に追加