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「では、また明日。
…? 寿貴先生? 寿貴先生⁉︎」
「あ、ああ。
明日から宜しく頼む。
あ、そこまで送ろう。」
「え⁉︎
あ、ありがとうございます…」
…ハッ
俺は何をらしくない事言ってるんだ。
「ちょうど、育成室を見に行くつもりだったんだ。」
「あ、そうなんですね。」
……本当にどうかしている。
「見てみたいか?」
「え?……施設をですか?」
「ああ。今なら誰もいない。」
「あ、いえ。やめておきます。
私のような部外者が興味本位で見学するのは、ちょっと違うと思うので。
こちらに来られている患者さんは、本当に真剣な気持ちで治療に当たられているはずです。医療従事者でもない私が、覗き見していいものではありません。」
「なるほど…そうだな。
いや、悪かった。まともな人ならそう考えて当然だった。」
「なんか……すみません。せっかく声をかけてくださったのに…」
舞い上がってた俺の方が申し訳ない。
花にも、患者にも…。
「気にするな。花が正しい。」
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