友達になってみた side寿貴

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友達になってみた side寿貴

そうだ。友達だ。 友達の距離感なら、俺でも付き合える。 久しぶりなんだよ。 誰かを想う気持ち。 あの、大学1年生の時以来かもしれない。 だけど、一度折れてしまった心は元には戻せない。自信がないんだ。だから、友達なら… さっき、 『魔法使いみたい』って言われて、ドキッとした。 俺は…いわゆる都市伝説で言うところの… 魔法使いの域に達した人間だ。 30歳を過ぎて童貞だと魔法使いになるって言うアレだ。 俺はゲイじゃない。 ストレートだ。 それに、恋を経験したこともある。 でも、その恋のせいで、トラウマを持ってしまった…。 ◇◇ 「寿貴先生は晩御飯を食べられましたか?」 「いや、まだだ。 コンシェルジュに頼んで、帰宅後温めたら食べられるよういつも頼んである。」 「そうでしたか。 これ、コーヒーハウスで1番人気の関西風だし巻きサンドなんです。 もし晩御飯がなかったらと思ったんですけど… では宜しければ朝食にでもしてください。」 そう言って、花から紙袋を渡された。
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