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「日置君。おーい日置君っ!」 休憩室で突然目の前に現れた田中さんに、本気で驚いてしまう。 「そんなにびっくりしないでよ。バケモンじゃないんだから」 「す すいません。ちょっと考え事してて、何ですか?」 「今日飲み行くんだけど、一緒にどう?」 「田中さんとですか?」 「ふふ ふたりきりがいい?」 いたずらに笑う。田中さん。やっぱかわいい。この人には勝てなそう…。 「残念。私と二人じゃないんだけどどう?」 「いいですけど、ちなみに誰がいるんですか?」 「もう!二人じゃなくてもいいんかい!」と無駄に突っ込んでくる田中さん。 「えーっと、柴野と、吉井さんと、菰田君と,私と蒼」 —蒼—田中さんが当たり前のように呼ぶ間宮さんの下の名前。 田中さんには当たり前なんだろうけど、彼氏でもましてや友達でもない僕が、嫉妬する権利はない。わかっているけど胸がチクっとする。 「じゃぁ 日置君もメンバーに入れとくね。」 一緒に飲めるのはうれしい。でももし田中さんと間宮さんがイチャイチャしてれうとことか見ちゃったら…そう思うと怖い。もう完全にダメだ。 『ただ仕事仲間とご飯を食べるだけ』そう自分に言い聞かせて、仕事を片付ける。
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