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普通こんな女子にこんなふうに触られたら、うれしくなってしまうんだろう。 けど、なんか違う。 はっきり言って、三沢さんと僕ってそんなに接点があったわけじゃないし、むしろ三沢さんは同じバイトの子たちに人気あったなくらいの印象だ。 バイト期間が終了したときも、三沢さんとは特に話もしなかった。 なのにこんなに僕に執着するのって何だろう? 「ふふ、大丈夫ですよ」 へ?三沢さんが無敵に笑って見せる。 「私ぃ、絶対日置さんを取り戻す自信あるんで」 はい? 「…あ はは…。いや…」 「大丈夫、彼女作っても怒ったりしないです。」 ますますわけわからん。 「また、会いに来ますから。」 そう言って、彼女は友達と一緒にホテルを後にした。 「あれって、メンヘラってやつですかね?」 後ろから柴野さんに声をかけられて、びっくりする。 「メンヘラ…?」 「地雷的な女子ですよ。」 はじめて本物みたぁとかつぶやく柴野さんを見つめてしまう。 「もしかして、日置君彼女の地雷踏んじゃう何かした感じ?」 「いやいやいやいや」マジで心当たりない! 「まぁ 日置君のタイプじゃなさそうなのはまちがいないけどさ」 「はい…。だって前の会社でもまともに話したことなかったのに…。」 思わず柴野さんにすがってしまう。 「まぁ こちらからは何もアクションしないのが一番だね」 御気の毒様というように柴野さんも眉をひそめる。 僕の気鬱も外れて、しばらくは何もなかった。 そう、しばらくは—。
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