田中の彼氏ですが

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田中の彼氏ですが

「えー、コーヒー?伊〇衛門?あーもう選べない…」 カオルが体をゆらしながら、自販機の前で悩んでる。 可愛いなぁ。てかトイレ行きたい4歳児か! 「田中さんまだですか?」 横で腕時計を確認して眉毛を下げているのは、 多分、日置君。 ちょっと前にできた、初めてのカオルの部下だろう。 カオルが、 『ペットみたいなの』と言っていた。 はじめはちょっと嫉妬したけど、 今は、おもちゃにされてる彼に同情している。 嫉妬と言えば、同級生の間宮君には、 いまだにもやもやした気持ちがある。 あいつ、無駄にハイスペックだし、 カオルにかまってくる。 でもあいつはのんけだって聞いている。 だからって油断ならない。 「もう」 しびれを切らした日置君が、 両方買って 「ほら行きますよ」 とカオルを急かす。 「おぉ~、直君天才ねぇ」 そう言って彼の頭をなでなでする。 「もう、今日デートなんでしょ?早くホテルに戻って、報告してかえりますよ」 「はーい」 二人の会話をほほえましく見ている。 仕事が早く終わったから、ホテルに迎えに行く途中で、 カオルたちに出くわしたけど、思わず声かけられなかった、俺。
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