田中の彼氏ですが

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食事を終えてカオルの部屋に向かう。 カオルの部屋(ここ)には、俺の私物もたくさんそろっている。 カオルのにおいと俺のにおいがうまくミックスされて、 とても居心地のいい空間。 そろそろ一緒に暮らすのも悪くない。 そう考えているのは俺だけじゃない。 2人でシャワーをして、広めの湯船につかる。 きゃしゃとはいっても、元は男のカオル。 2人で入れ広めの浴槽は好条件だ。 「ヤダ。道也の触り方エロイ。」 「だって、久しぶりじゃん」 「週末に会ったから、3日ぶりじゃん」 「一日だって開いたら寂しいんだよ」 そう言いながら、カオルの方に唇をつける。 チャプン…。 カオルの体が跳ねたから、お湯が音を立てる。 腰から手を滑らせて、まだ足の間にぶら下がっている、 カオルの自身を握る。 「…あん」 艶っぽい声。 ふと日置君が脳裏に浮かぶ。 彼はカオルがこんなふうに乱れているのを知らない。 そう思うとなんだか優越感が沸き上がる。 エロ雑誌を始めてみる中学生みたいな顔で、 俺とカオルを見ていた日置君の表情が思い出された。 嫉妬なんかしてない。 日置君には彼がいるって、カオルが言ってた。 それでも確実に、日置君はカオルと過ごす時間が多い。 男とは言ってもカオルからは自然と色気がこぼれる。 日置君はどんな気持ちでカオルを見ているんだろう? でも、心の中で思う。 『カオルは俺のものだ』 そして、自嘲する。 俺は…日置君にまで嫉妬するとか…。 バカげてる。 俺にさすられて、嬌声を出し続けるカオルを、 いつもよりきつく出し締める。
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