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「待っていてくれ、メイグ」
礼拝堂の近くまで来たラキエス。そこにも兵士が警護に当たっていた。構うものか。ラキエスは真っ直ぐ礼拝堂の入り口へ歩く。
「止まれ。ここから先に入るには事前に配布されたチケットがいる」
ラキエスは黙り続ける。そのまま歩みを止めず、兵士の肩にぶつかる。
「おい、貴様」
すると、兵士の足が凍りついていく。冷気を放ったラキエスは走りだした。勢いよくドアが開かれ、中にいた人々がラキエスを見た。ざわつきだす人々。兵士が捕らえようとするが、軽くあしらわれてしまう。
「水の剣……」
納められている聖剣の別称をラキエスがつぶやく。水の剣。柄が液体になっていて、王族しか握ることを許されない伝説の聖剣。その剣で強大な魔物を封印したという話もある。
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