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☆
翌日の早朝。飛竜に乗せてもらい王城の近くまで移動したラキエスは、市場を一通り眺めた後、城門に着いた。門番が二人いたが、顔なじみだった。二人の門番と軽く世間話をして、ラキエスは城内へと歩く。
「相変わらず、広い庭だな」
数人の庭師を見かけて、ラキエスは叔父の所在を訊ねた。どうやら剣の稽古をしているらしい。礼を言って、ラキエスは訓練場へと向かう。
弓の稽古のための的として置かれている人形が視界に入ると、野太い大きな声が聞こえた。
奥に進むと、石畳が敷き詰めてある正方形のフィールドで、剣の試合をしている様子が見えた。木刀だ。他にも、フィールドの外で素振りをしている者たちがいる。
「遅い、もっと早く振り下ろせ」
「はい!」
「精が出るな。叔父さん」
「ん。ラキエスか」
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