第一話

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ちらりとラキエスを見る、叔父。それから叔父は別の者に剣の相手を頼むと、ラキエスと共にフィールドの外に出た。 「何しに来たんだ。病み上がり」 「知っているのか。俺のこと」 「ああ。メイグ様が悲しんでいた」 「……そっか」 「まあ、あれだ。焦るな。何も手足を失ったわけでもないのだから」 「氷属性しか使えないんだ。魔法剣士としては二流、いや、三流だ。剣の才能も、そこまでじゃないしな」 「もう一度、鍛え直してやってもいいが?」 「それも悪くないかもな」 と、口では言うが、自分が剣豪になれないことは十五の時に自覚していた。今さら鍛え直してもらったとしても、半端な剣士が出来上がるだけだ。
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