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「え゛!? 今日二学期の終業式!? え゛!? じゃあクリスマスまでに彼氏作るには今日しかないってこと!?」
「そもそもなんで終業式の日確認してないのよ」
これが現実。
最近流行りのウイルスのせいか、終業式がいつもより少しだけ早いらしい。
「あとクリスマスまで十日もあるって思って、余裕こいてたのに」
「あと十日でも充分焦る時期でしょ」
私、瀬口舞花が嘆くと、友達の多田莉子がすかさずツッコミを入れてくる。
私は部活も女子バスケ部だから、たとえ終業式とクリスマスの間に部活があったとしても、男子と触れ合う機会は全くと言っていいほどないのだ。
「今日一日で彼氏作るなんて絶対無理じゃん! 絶望的じゃん!」
「ドンマイドンマイ。次頑張ろう」
「オー! ……って、バスケ中みたいな掛け声やめい!」
莉子は全く同情してくれないし、それどころか嬉しそうな表情さえしている。なんか嫌な感じだ。
「さては莉子……
彼氏できたな?」
「よく気付いたね! さすが私の友達! では良い終業式を! バイバーイ!」
終業式に良いも悪いもないでしょ……。
てか、莉子だけは仲間だと思っていたのに! 高校生活もっと楽しいものだと思っていたのに! なんでだーーー!!!
絶対彼氏作ってやる。
彼氏作って、莉子を見返してやる!
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