冬の花

　そして、あっという間に学校が終わってしまった。何もすることができず、今朝のやる気はどこへやら。

　嬉しかったのは、園田風太の通知表が本当に『2』が五個もついていたという情報が、風に乗って流れてきた時だけだ。

　……それがなんだって話だが、一人でも自分より成績が悪い人を見つけたら嬉しいのは、人として普通のことだろう。

　しかし、恋愛に関しては、圧倒的敗北。誰に負けたとかではない。勝てば、クリスマスに、「恋人とのデート」というサンタさんからのプレゼントがもらえただろう。

　サンタさんは私のところになんか来ない。

　何をするにも億劫で、ネガティブな考えしか持てない私のところになんか来ない。

　ほら、今日だって、彼氏を作りたいとか言うだけ言って、何も行動に移せなかったじゃないか。

　所詮、私は黙って遠くで歩いているカップルを眺めていることしかできないのだ。