冬の花

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 目が痛くなるほど眩しい赤と緑のイルミネーションの中、私は、来るはずのない誰かを待っている。自分の目の前を通り過ぎていく、楽しそうな男女達をただただ眺めながら。  次第に、息が苦しくなっていく。  『なんでここにお前がいるんだよ』という、誰からでもない無音の声が体の中に侵入して、私の心臓を窮屈にさせる。  それなのに、私はずっとそこにいる。帰ればいいのに、私はそこから離れることができない。  負けを、認めたくないから。彼氏はいるんだ、と思っていたいから。  きっと、これが現実。  もし、その時心臓が窮屈になって、押し潰されて破裂したら、誰かがその破裂した心臓の一部を、私の思いと一緒に拾ってくれたらいいな。  そんなことを、夜まで考えていた。  そう、夜まで。  そのメッセージが来るまで。
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