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「——別れましょう。もう3ヶ月経ったし。時間の無駄です」
ハッキリと告げられたが、僕にも考えがある。恋愛と結婚は別だと言っていた気がする。だったら結婚は置いておいて、僕と恋愛をすればいい。いや、してほしい。
「玲ちゃん、恋愛と結婚は別だって言ってたよね? 結婚相手には将来性があって安定してて考え方が合う人っていう条件があるんでしょう? だったら僕と恋愛しようよ」
「何言ってるんですか? 恋愛と結婚は別っていうのは、いくら好きでも結婚の条件に合う人じゃなかったら結婚しないって意味ですよ。好きでもない関さんと恋愛なんてしませんよ」
うわー、そうか。そういう意味ね。好きでもないって……。あぁ、そう。
「だいたい何でそんなに私にこだわるんですか? 関さんだったら女の人たくさん寄ってきますよね? 私じゃなくてもいいでしょう?」
不満げに捲し立ててきた。
「君のこと可愛いと思ってるから。すごく魅力的だよ。君にどうしようもなく興味がある。もっと君のことを知りたい。……好きだよ」
誠心誠意、心を込めて伝える。でも——。
「だから、揶揄わないでくださいよ。可愛い? 魅力的? どこが? こんな私のどこが好きなの? 何を企んでるんですか?」
全く響いていないようだ。それどころか怒らせてしまった。解せない。
「全部、僕の本心だよ。何でそんなに怒るの? 別れるとしても君のことは知りたい。何でそんなに『女の子扱い』が似合わないって思ってるの?」
「なんでって……。見ればわかるでしょう? 見た目だって女らしくないし、声だって、性格だって……」
「それは君がそう思ってるだけでしょう? そんな風に思ってる人は——」
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