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おもいだすことば。
深い海の底。
右も左も、上も下もわからずただ落ちていくだけ。
ゆっくり、ゆっくりと沈んでいく。
気色悪い夢だった。
どこか体に落ちていく感覚が残っていた。
吐きそうなぐらいの目眩と、頬を滴る汗。
なぜそんな夢を見る必要があるのか?
僕にはそれだけがわからなかった。
それからは、いつものように学校へ行って、
ただ友達と笑って、泣いて、喧嘩して、
なんでもない普通の日々を送っていた、つもりだった。
『神音ってどうかしてる』
そう言われ始めたのは1年ほど前。
ちょうど中学校入学の時ぐらいだろうか。
小学校から一緒にいた親友に、すごく悲しい目で見られた。
友達曰く、僕がいつもしなかったことをするようになったらしい。
全然、僕には自覚がないが。
『神音って頭のネジ外れてる』
『静かにしとけばいいのにね』
だからなんなのって話。僕は僕だし、君は君。
どう生きたっていいんだよって先生も言ってる。
僕にはそれが通用しない?んな訳あるか。僕も人間なんだから。
まあ、思ったって言える訳はないけどね。
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