ナマケモノは走らない

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「僕のたてがみの中に、何か入っていて、くすぐったいんだ。ちょっと見てよ!」ロバが言った。 「それは僕の木の実だよ!」と木の上からリスが言った。 キツツキは長いくちばしで、丁寧に木の実をつまんで、全部とってあげた。その木の実を抱えて、モモンガのモンがリスのところに木の実を運んでやった。 「それにしても、ルーシーは全然おどろかなかったね!」 「ホントホント!」 「さすがルーシー!」  ほらね! ルーシーの心臓が誰の心臓よりも早くはしっていたことには、やっぱり誰も気がつかない。  だけどモモンガとキツツキはいつの間にか仲直りしていたし、リスは木の実をとりもどした。 ルーシーはにっこり笑った。  本当は、ルーシーだって心臓が駆け出しちゃうときもあるけれど、いつもと変わらず笑っていれば、いつだって森は平和。これは間違いなし! 05458a0f-7b30-438c-93cd-3cd2d75d8a99 イラスト:ここなつみるく様                           (おわり) 読んでくださってありがとうございます。 もしもほんの少しでも楽しんでいただけたら、この上ないしあわせです。                        和來花果
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