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「つまり、『め』なんだよ。おにいちゃん」 「あ?」 「あ? じゃなくて、め!」 「いやだから何が」 「あの中にめがあるの!」 「あの中ってなんだよ」 「あの中で待ってる」 「め?」 「は?」 「は?」 「もういい!」  妹は不貞腐れてソファーから飛び降りた。めきゃっ、と嫌な音がしたかと思うと何のことはない。お掃除ロボットが哀れにも仕事中だった。 「おにいちゃんが『め』を理解しなかったせいでランバもどきが死んだ! 謝って!」 「いや、お前が誤って踏んだからだろ」 「せっかく餌食べてる途中だったのに!」 「埃のことを餌とか言うな」 「誇りを胸に生きてるランバもどきを侮辱するな!」 「ホコリ違いだろ。確かに埃は胸にしまわれてるけどよ。職務を全うしたランバもどきは立派だった……」 「保健所に連れてかなきゃ」 「飼えなくなったからって殺処分は良くない。これ直せないのか?」 「時間を戻せば直るよ?」 「具体的にどうすればいいんだ?」 「←ボタンを押す。最初から見る。まだランバもどきは生きてる」 「お、おう。でもやっぱお前が踏んで破壊するだろ?」 「『め』を理解して」 「いやだから『め』ってなんだよ」 「『め』を理解して」 「め」  息絶えたランバもどきを指差しながら妹は言う。 「次はおにいちゃんがこうなる番だよ」
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