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3 305号室
ダラダラ居座っていたせいですっかり遅くなってしまった。別れのあいさつをして香苗の部屋をあとにしたところで、携帯電話を忘れたのに気づいた。ため息を吐き、階段を逆戻りする。運動不足の身体にはよい刺激になるだろう。
格闘技選手候補と鉢合わせするのはごめんこうむりたかったので、部屋番号の確認は怠らなかった。――305号室だった。
おそるおそるチャイムを鳴らしてみる。
「あれ、真琴くんどうしたの急に。くるなら連絡してよね」出てきたのは香苗だった。
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