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どうやら、この形勢に有利なのは私みたいだ。
心の中でニヤリとする。
「無理とは思いますが、忘れてくれますか?」
ワザとできるだけ真顔で言った。
「何を……?」
そう言いながら不安気に顔をしかめた。
「アンナは忘れてください。私もカノンさんを忘れます」
彼の凛々しい目が点のようになった。
「アンナとカノンを忘れる?」
「元々、私がその場凌ぎで付けた名前ですから。アンナとカノンの全てのやりとりは綺麗さっぱりと忘れてください」
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