135人が本棚に入れています
本棚に追加
「ううん、そうじゃない。踏んだの、思いっきり足を」
朝の光景が蘇った。
新宿駅から赤坂見附までの間。
その不届き者は十分足らずの乗車時間の間、こちらが声を出さないことをいいことに、その行為を続けてきた。
何度もその手をバッグで押しやったが、止めずに続けた。
満員で身動きが出来ない車内。
当然のごとく立ってる位置を変えることは不可能だった。
帰りの電車では何度も痴漢にあったが、朝は初めてだった。
きっと、朝だったからに違いない。
堪忍袋の緒が切れたのは。
最初のコメントを投稿しよう!