始まりはミナソコから

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祖母が残したものは、この宝のような家とそこそこの財産。 そして骨董品……にもならない、大量のがらくた類。 それらは母の弟──名前も言いたくないボンクラ叔父と、介護の手間で家を相続した以外は全て二等分の予定だった。 だけど価値にならないとがらくた類は放棄されて、綺麗に現金を二等分した。 しかしがらくたといえど、その筋の人には需要はある。元々利き目があった母は次々とそれらを捌いて行った。修繕の知識もあったので、自分で修繕も行ったり、専門家に依頼をしたりなどをして、『適材適所』な場所へと送り出していった。 するとまぁ正直な話、そこそこの金額になっていたのだ。 そうなると、不公平だと叔父が怒った。 それに最近になり、家の近くにショッピングセンターができた。それで地価はかなり上がったらしく、その点も不公平だと。 元々叔父は、両親から見放されてるほどのボンクラ息子だった。 祖父母は食い潰されることが分かっていたので、自分達の代で会社を畳んだ。 一応名ばかりの役員だった叔父は、知り合いの人の会社に頼んだらしい。叔父にも向こうの会社にも、かなりの金を握らされて。 でもそれはすぐに食い潰されたらしい。 彼がボンクラなのは正真正銘だが、それ以上なのが──彼の奥さん。もう名前も、叔母とも言いたくない人物。はひたすら浪費することだけが生き甲斐の人だ。
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