まるでクレオパトラのような恋

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「やっぱこうなると思ったんだ。自分の気持ちに気付いてないのが、当の本人だけなんて、もどかしくって見てられなかったからさ」 「だけど萌音ちゃん、私一歩間違えたらあの時成見になにされたかわかんないんだよ?」  攻めると、 「成見が本当にヤバイやつだったら、あんなことしないって。だって、待ってくれたでしょ?」 「まあ、そうだけど」 「ああ見えてあいつ、そんなに悪いやつじゃないよ」  萌音のほうが、成見をよく知っているようだった。  友哉と直人には、成見と付き合ったことをまだ話していないが、そのうちに紹介したいと思っている。  きっといい顔はしないかもしれないが、自分の選んだ人だ。自信をもって二人に会わせたい。    クレオパトラは、性格の異なる二人の男性を愛した――。  だがもし彼女がオクタビアヌスをも愛したとしたら、未来はどうなっていただろうかと思う。  真羽は今、成見と付き合っているがこの先どうなるかなんてわからない。  ただ、自分がそばにいることで、彼の世界を鮮やかに彩りたいと思う。  真羽はただ、彼が自分に求めるものを精一杯与えたいと思った。  今はただ、それだけだった。  
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