46億年分のふたり

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*** 「おはよう~。そろそろ起きたら。もう午後ですよ~」  夕貴の声がする。  ものすごく長く寝たような気もする。  冬眠していたかのように深く。  そう言えば、変な夢を見た。  俺がどこかの国の秘密工作員で、特殊任務で来たこの国の夕貴に恋をしてしまう夢。  そんな不思議な夢だった。  でもどこか妙にリアルで、まだ身体には夢の中の感覚がおぼろげに残っている。 「もう~、いつまで寝てるの。午後から仕事じゃなかった?」 「やべぇ。そうだった! 今って何時?」 「12時半だけど」 「うわっ、マジか。うん? 俺、どうして、こんなツナギみたいな服着て⋯⋯」 「覚えてないの?」 「全然」 「えっ、本当に? お酒でも飲んでた?」 「いや、多分⋯⋯飲んでないと思う。あっ、時間!」
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