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あの子も、こんな風に、驚いたのかしら。
ひとつ、忘れていたわ。
貴女が愛していたのは、あの子でしょうけれど、
憎んでいたのは、本当は、誰?
あの子だけでは、ないのではなくて?
常に、あの子と共にいる私にこそ、嫉妬を覚えていたのではなくて?
私さえいなければ、もしかしたらあの子は、貴女を一番にしてくれたかもしれないと、思ったことはなくて?
……答えは、要らないわ。
興味がないもの。
それに、例え私がいなくても、貴女があの子の一番になれたとは、到底思えない。
貴女には、それが何故かわかるかしら?
もしわかるのなら、可能性はあったのかもしれないけれど……何れにしても、今となっては、どうでもいい、仮定の話ですわね。
それでは、私は、失礼するわ。
貴女には届かない、向こう側へ。
あの子の側へ、逝かせて頂きます。
あぁ、風が、強くなってきましたわね。
これなら、すぐに、届きそうだわ。
私の半身、あの子の元へ。
ごきげんよう、貴女。
貴女の未来が、少しでもマシになるように、時々は、祈ってさしあげますわね。
あぁ、風が、強く吹いているわ。
あの日と同じ、ね。
風が、強く、吹いているわ……
『M女学園の生徒、今度は飛び降り
事故か自殺か、割れる見解』
-新聞Aの見出しより-
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