第六章 事情聴取【小日向瑠璃】

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怪文書が出回る前の篠田さんに、親友って呼べる人なんて、いなかったと思いますよ。友達はいたかもしれないけど……あ、えぇ、まぁ、私もそのうちの一人ですけど……すぐに嫌になっちゃいました。 だって、面倒なんだもん。 篠田さんって、プライド高くて、自分が一番じゃないと気が済まないんだなぁって思うことがたくさんあって。些細なことですっごい怖い顔するし。裏表が激しいって言うか。 それで、自然と距離を置くようになったんですよね。 私みたいに思った人、多いと思います。 その証拠に、彼女、お弁当はいつも一人で食べていましたから。 たまに誰かと食べてるなぁって思っても、三日と続かないんですよ。 いつも、ぼっち。 もっとも、怪文書事件が解決して、花開いた薔薇が届いてからは、更紗ちゃんと月子ちゃんと、三人で一緒にいましたけどね。 事件性……ですか? さぁ、わたしにはわからないです。 ただ、更紗ちゃんには意識取り戻してほしいし、月子ちゃんの脚も治ったらいいなって、そんな風に思います。 いい子ちゃんな回答かな。 篠田さん? さぁ……どうだろう。学校、辞めるんじゃないですか。 こんなことあったら、いられないと思うし。 正直、私には関係ないと、そう思ってます。
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