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私が回想している間にも時間は過ぎて、答えを無くしているうちに、森山は私の身体を抱き上げる。
「ひぁっ……!? おも、重い!」
「重くない重くない~」
「まっ、あっ、凛が……」
「アキオに任せてるから大丈夫だって」
「えええええ……」
すたすたと歩きながら答えていく森山は、あっさりと料亭の外に出てしまう。
「何でいるの」
「尾行してきた」
「はい?」
「まあ、見合いの紙見てたから場所は知ってたし」
「……ストーカー?」
「好きにさせてもらうって言ったろ」
呆れかえって言葉にならない。横抱きにされた私の表情を上から覗いた森山は、やはり楽しそうに笑っていた。
「……どこ向かってるの」
「公園」
「こうえん……」
「近くの駐車場に車停めてるから、とりあえず公園で話す」
「はなす」
「俺のやりたいこと」
助けてほしいと思った瞬間に現れるなんてずるい。
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