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書道パフォーマンス
あっという間に年は明け、元日を迎えた。
今日は催事スペースで書道パフォーマンスの他にも小学生たちの絵画や習字のパネル展示を行う。開店前にその作業をするため、つかさちゃんの指示でパネルを次々と壁に貼っていく。ステージは、リハーサルをする子供たちでにぎやかだ。
「今日のパフォーマンスは、振り付けもアイデアも全部、兄なんですよ。高橋さん、本番も絶対見てくださいね」
「はい。もちろん」
結局、年末に徹志くんと会うことはかなわず、私の告白はお預けのままだ。
今日のステージでは、徹志くんも挨拶をするとプログラムに書いてあったから、そのあと、時間をもらって告白しよう。
彼の私に対する気持ちが尊敬であっても、セフレに対するものであっても、いつか私の気持ちに応えてもらえるよう努力すればいいのだ。
ショッピングセンターが開店し、初売りが始まると店内は一気に忙しくなる。お年賀ののし書きも例外ではない。
早めの交代時間でスケジュールを組んでいたのに、作業が終わったのはパフォーマンスの時間ぎりぎりだった。
大きな音楽と拍手が聞こえる。ステージを見ようと人波をすり抜けてなんとか見える位置に立つことが出来た。
ステージでは、踊る子供たちとリズムに合わせて踊りながら大きな筆を滑らせ文字を描いていく書道パフォーマンス。きっと舞台袖で見ているであろう徹志くんを探すが見つからない。
舞台は暗くなり、レーザービームのような照明が派手に動きまわり、スポットライトが一筋の光を放つ。そこにひときわ大きな歓声と共に袴姿の男性が箒のように大きな筆をもって舞い降りた。
──彼だ。
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