プロローグ

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プロローグ

「やってしまった……」  カーテンの隙間から見える満月と隣に眠る裸の男。  小説や漫画でなら腐るほど見たこのシーンをまさか私が体験することになるとは、昨日まで思いもよらなかった。  ひとつ前の恋からは一年以上たっているけど、充実した毎日を送っていた。性欲だって湧くこともなく、どうしてもシタい! なんてこともなかった。  だけど、こうなってみると『ソウイウコト』も時にはあってもいいのかもしれない。  嗅ぎ慣れない匂いのシーツの中で、私はそんなことを思った。  こうなってしまった記憶なら……ばっちりある。
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