ちょっと待って。

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今日は、親友のかな子といつものカフェで待ち合わせ。 少し早めに着いて、先にカフェラテを注文して。 遅刻常習犯の彼女が来るのを待つ。 音楽を聴きながら、砂糖をたっぷり入れたこのカフェラテを飲んで待つのが私のちょっとした至福の時間。 (何を聴こうかな) 聴く曲はそのときの気分で決める。 (昨日のドラマで流れてたやつにしようか) 恋愛ドラマの主題歌で、ちょっと切ないような、ほっこりするような、私はけっこう好きな曲調だ。 歌詞に合わせて、心の中で鼻唄を歌う。 Aメロ、Bメロときて、もうすぐサビがくる。 (えっ、かな子?) お店の入口付近にかな子の姿が。 あの遅刻常習犯の彼女が、待ち合わせ時間の5分前に着いてる。 (ちょっと待って!) もうすぐサビなんだから。 サビ部分聴かせてよ。 こういうときに限って、なんで早く来るの! 何でも言い合える仲だから、ちょっと待ってと言えば、かな子は普通に待ってくれるのは分かってる。 でも、さすがに目の前に来たらイヤホンを外さない訳にはいかない。 ただ、彼女はまだこちらの存在に気付いていないようだ。 サビに突入。 申し訳ないと思いながらも、私は気付かないふりをした。 どうにかサビが終わるまで聴き続けるために。 あとでいくらでも聴けるんだから、解散してから聴けばいいだけなのは分かってるんだけど、なんかモヤモヤする。 今、聴いちゃいたい! が、かな子はこちらの存在に気付いてしまった。 でも、私は気付かないふり。 彼女はこちらに近付いてくる。 (あー、もうちょっとでサビが終わるから待ってー!) 「ゆみ、おはよう!」 「……おー、かな子! お、おはよう」
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