不器用なあなたの愛し方

真相

　夕食の後片付けを終えて声を掛けてみたが、「お風呂に入ってくる」とそっけなく言われて逃げられてしまった。
　それならば上がってからリトライしようと思ってリビングで待っていたけれど、こちらには戻らずにそのまま自室に籠ってしまったようだ。

　自業自得とはいえ、もっと早くきちんと説明しておけばよかったと後悔の念が押し寄せる。
　困ったな、相当怒ってるよな。

　とりあえず先に風呂を済ませ、しっかりしろ、俺！と気合を入れてから彩の部屋のドアをノックしようとした時だった。
　内側からドアが開いて彩と鉢合わせ、二人同時に頭を下げた。

　彩が謝る必要はない。悪いのは俺の方だ。
　それなのにこの子ときたら…。

　愛おしさが募って抱きしめずにはいられなかった。