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「え?」
社長の言葉にどこか感じる違和感。
「やっぱ指切ってる。洗剤流したら消毒するから、俺の部屋に来て」
…今、俺って言った?
「どうかした?」
「いや、あの…社長、言葉遣いが…」
私の言葉に一瞬不思議そうな顔をするも、いきなりハッとした彼。
「あ、あああ!いや、違うのよ…!?えっと…」
私の言葉を聞いて、今までの話し方を思い出したかのようにオネエ口調に戻った。
「あの、ごめんこの喋り方になっちゃったのはね…」
社長ってもしかして…
「もしかして、家ではリラックスして男口調が出ちゃうんですか?」
「え?」
きっとそうだ!
私は女口調の社長しかしらないけど、元々は男の人。
私にはわからないけど、リラックスしてついつい昔の口調に戻っちゃうことがあるのかもしれない。
「あー、そうそう!そうなのよ!家ではたまーに出ちゃうの、男の部分っ」
「もう、いきなり口調が変わるからビックリしましたよ!そういうことなら先に教えてください」
「あ、あはは…ごめんなさいね!」
なんて、このとき呑気に笑っていた私は社長の言葉なんて微塵にも疑っていなくって。
…後にこの口調の意味を知ることになる。
*to be continued*
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