Episode.02

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ガチャリ 「社長、鍵はどうしたんですかっ!?」 「…支倉ちゃんただいまぁ」 「あ、おかえりなさい。じゃなくって…酒くっさ!」 いつもよりやたら帰ってくるのが遅いと思えば、社長から慣れない香りがふわりと漂う。 いつもは女向けの甘い香水の匂いを振りまいてる社長から、お酒とタバコの匂いがっ!? 「ふふ、お酒いっぱい飲んじゃったわぁ」 「ちょっ、重…っ」 かなりの量を飲んだんだろう。 社長は足元をふらつかせながら私にもたれかかる。 この人がこんな風になってるのって…一緒に住んで初めて見たかも。 「もう…社長の部屋まで肩貸しますからちゃんと歩いてください!」 「えー?私の部屋は嫌よー!今日は支倉ちゃんの部屋に寝るのぉ」 「はぁ!?なに言ってるんですかダメですよ!」 「嫌ったら嫌ぁ!」 いつもは完璧でスマートな社長が、駄々をこねる子供みたいになってる…! 不覚にも可愛いとか思っちゃったわけだけど、オネエとはいえこの人はいい歳した男の人。 「ほら、早く部屋まで…」 ―――トスッ 「聞き分けが悪いわね、支倉ちゃん」
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