Episode.02

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*** 朝陽が差し込むリビングで、私の耳に一番に入ってきたのは目覚ましの音。 「きゃあああっ!」 「ん…っ、うるさ…」 「な、な、なんで支倉ちゃんがっ!?」 …ではなく、騒々しい社長の声だった。 朝っぱらから騒がしいな。 「…おはようございます社長」 「おはよう…じゃなくって!なんで私と支倉ちゃんが一緒にソファで寝てるのっ!?」 この人…昨日私にあんなことしたくせに覚えてないなんて。 タチの悪い人め。 「しかもその腕…ネクタイ…えっ!?まさか私達…!」 よからぬ想像をしたのか、サァッと顔から血の気が引いていく社長。 あー、そっか…腕はネクタイで縛られたまま寝ちゃったんだった。 …痺れてるし。 「言っときますけど私はなにもしてませんよ?社長が私を押し倒した挙句、離してくれないまま眠っちゃったんですからね」 「嘘…」 「ま、でも一線を超えなかったっだけまだマシ…」 いつも通り軽い調子でとぼけられると思い、私も特に気にせず話すつもりだったものの。 「ごめんなさい支倉ちゃんっ!!」 今までにないぐらい真剣な顔つきに変わる社長に、私の方が呆気に取られてしまった。 「え」 「こんなこと言ったら言い訳にしかならないかもしれないけど…昨日は飲みすぎて本当に記憶がないの…!」 だから本当にごめんなさい、と再び頭を下げる社長。 昨日の社長とは違って、嘘みたいにしおらしいじゃないか。
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