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週末の「変身」
渚は私の爪をきれいに整えてくれた後、
淡いピンク色のネイルを塗ってくれた。
「この色なら、そのままにしていても大丈夫。
あえてツヤを出さない方がわかりにくいわ。」
「ありがとう、渚。きれいだな…」
私は美しくなった自分の爪を見て、
なぜか気持ちが落ち着いたような気がした。
そこから…
私の「女装」という変身に夢中になるまでに
さほど時間はかからなかった。
妻は家庭に持ち込まないことを条件に
この趣味を許してくれた。
「きれいなモノやかわいいモノが好きなあなた
だもの、不思議に思わなかったのよ」
そう言って微笑む渚を愛する気持ちは
今も変わることはない。
もちろん仕事は本当に好きで、
これからも全力で取り組んでいくつもりだ。
そして週末の夜…
私は今夜も「女性」へと変身をして、
女装サロンへ向かう。
途中で立ち寄るカフェバー「シエスタ」で
お気に入りのカクテル「ピンクレディ」を飲み、
バーテンダーのユウくんと軽く言葉を交わすことで
「女装」への変身スイッチを入れて、
新たな仲間との触れ合いを楽しむために…。
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