番外編:あの日の夜のTEL

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 本当に終わったんだ……。  ベッドの上で大の字に寝転がって、ぼーっと天井を見つめる。  あの刺激的な日々が、とうとう終わってしまった。  わからないことだらけで、ずっと手探り状態だった撮影現場。  もう、あのメンバーといっしょにお仕事をすることもないんだろうな。  そう思ったら、あのかけがえのない日々を、わたしはちゃんと精一杯がんばれたのだろうかと不安になってくる。  まだたくさんやり残したことがあるような気がする。  もっともっと演技のことが知りたい。  そうやってどんどん貪欲になる自分に驚く自分がいる。  それに、撮影終了後のあのハプニング。  あれは夢だったんじゃないかと、家に帰ってから何度ほっぺたをつねったことか。  でも、夢じゃないんだよね。  わたし……桜井くんとお付き合いするんだ。  キャーッ!!  思い出しただけでぼぼぼっと頬が熱を持ち、わたしは枕を抱えてぎゅっと縮こまった。  うぅっ……学校で桜井くんに会ったらわたし、どんな顔したらいいの!?
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