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枕を抱えたままひとり身悶えしていると、スマホの着信を告げる音が鳴った。
さ、桜井くん!?
わわっ、どどどどうしよう!!
ととととりあえず、「撮影おつかれさま」から入ればいい??
そんなことを自分で確認してからドキドキしながら画面を確認すると――。
えぇっ!?
これはこれで出るのがためらわれる相手の名前が表示されていた。
いっそのこと着信拒否してしまおうか……。
なんて考えたけど。
……謝らなくちゃだよね。
だって、桜井くんとのこと応援するって約束しちゃったのに、わたし……。
「…………はい」
わたしは覚悟を決めて電話に出た。
『あたし』
「玲華さん？」
なんだか心ここにあらずな声。
どうしたんだろう……って、これは失恋の後遺症？ かもしれない。
怒鳴られるかと思っていたのに、意外な第一声に、逆にどう対応したらいいのか困る。
『うん。そう。……のぞみちゃん、アキラくんとうまくいったんだって？』
ドキンッと心臓が跳ねる。
「……うん。あの……」
『ああ、もう謝らなくていいから。最初にふたりを見たときから、ほんとはわかってたから』
「ごめんなさい」って言おうとしたら玲華さんに先を越されてしまった。
だったらわたしになんの用だろう？
いぶかしく思っていると、
『それはもうどうでもいいんだけどさ……ねえ、どうしたらいいと思う？ あたし……付き合うことになっちゃったんだけど』
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