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☆ ☆ ☆
「ごめんね!」
『は? 第一声が謝罪とか、訳わかんねえんだけど』
「い、いやちょっと今玲華さんとしゃべってて。それで桜井くんのメッセージに全然気づかなかったから」
玲華さんとの電話を切ったあと、一時間も前に来ていた桜井くんのメッセージに気づいて真っ青になったわたしは、慌てて桜井くんに電話したんだ。
『べつにそんなの気にしなくていーのに。おれの方こそ即レスとか期待されても絶対ムリだし』
「う、うん……」
だって、その……お付き合いはじめたばかりでカレシからの連絡スルーする女子ってどうなの!? ってめちゃくちゃ焦っちゃったよ。
でも。そうだよね。お互い忙しいときだってあるわけだし、そういうのを気にしないことも必要なのかもしれない。
「わ、わかった。これからはあんまり気にしないように努力するね!」
『そーいうとこ。もっと気楽にしろって』
桜井くんが苦笑いする。
う~ん、ムズカシイなぁ……。
『で、玲華と話したんなら、ひょっとして聞いた? ふたりのこと』
桜井くんが話題を変えてわたしにたずねてきた。
「うんっ! 聞いた!! ってことは、ひょっとして桜井くんとこにも磯谷くんから?」
『ああ。でもこっちは「おれら付き合うことにしたから。おまえらはおまえらで勝手によろしくやってろ」とだけ言って電話切れたけどな』
あははっ。なんだか磯谷くんらしい。
ひょっとして磯谷くんってものすごく照れ屋さんなのかな。
だから本当の自分がわからないくらい演技で自分を固めているのかも。
知れば知るほど磯谷くんはわたしと似ているのかも――なんて本人に言ったら超怒られそうだけど!
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