番外編:あの日の夜のTEL

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「でもさ、大丈夫かな。こっ……晃一くんキラキラだから、すごい騒ぎになりそう」 『う~ん……じゃあ、おれも亜希みたいにメガネで変装するか』 「いや、たぶん桜井くんはメガネかけてもムリだと思うよ」 『あっ、おまえまた「桜井くん」って言った』 「ご、ごめん」  うぅ~っ、この呼び方、どうしても慣れないんですけど。 『とにかくメガネ試す! じゃ、10時な』 「うん、わかった」 『誕生日デート、楽しみにしてる』 「えぇっ、晃一くん誕生日なの!?」 『ああ。亜希といっしょにすごせるの、楽しみにしてるな』  晃一くんのうれしそうな声に、わたしまでうれしくなってくる。  そうだ! 「ケーキ! 映画終わったらケーキ食べよ。たしかあそこの映画館の近くにおいしいケーキ屋さんがあるんだ」 『いいね~。じゃあ、映画終わったらそこ行こう』  そうだ。メガネだけじゃ変装しきれないであろう晃一くんに、キャップをサプライズプレゼントしようかな。  喜んでくれるといいんだけど。  ふふっ、初デートが断然楽しみになってきたよ!
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