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「あ……ごめん」
「だからって紺野にそうしろって言ってるわけじゃないからな? 怖がりすぎなくてもいいんじゃないかな、って言いたかっただけで」
「うん、わかってる。あ……ありがとう」
ちょっと微妙な顔をしてしまったからだろうか、坂木くんは自分の座る椅子を寄せて、念を押すように言った。
「俺、紺野の味方だからな?」
その途端、引きこもり中にアラタに言われた言葉がよみがえる。
【いつだってミヒロの味方だよ】
「……あ」
アラタだ……やっぱり。坂木くんは、アラタと一緒なんだ。
その言葉は心の支えだったこともあり、私の気持ちを大きく揺さぶった。目頭が熱くなってうつむき、ゆっくり口を開く。
「わ……私、実は、引きこもりになった原因、みんなの前で吐いてしまったからなんだ」
話しだすと、姿勢を整えた坂木くんが、「……うん」と相槌を打った。
「きっかけはそれだけのことだったんだけど、だんだん……休んだこと自体が引け目になって、休めば休むほど学校に行きづらくなって……」
「うん」
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