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新しい生活
私がAV女優を辞めて一週間後。
3月10日に、篤と一緒にあのマンションを出た。
勿論、花子も一緒に。
「篤さん、これもですか?」
「あ、それもテキトーにトラックに突っ込んどいてくれ」
その引っ越しは、篤の友達?と思われる男性5人に手伝って貰った。
その人達はみんな篤に敬語を使っているので、
篤の後輩か何かなのだろう。
ただ、一人だけ、篤にタメ口で話してる人がいる。
「斗希(とき)お前にも手伝わせて悪かったな」
「いや。どうせ暇してたから。
って、俺、全然手伝ってないけどね」
その斗希って人。
マンションの下、二台の軽トラがあり、
その二台に私達の荷物を詰め込んだ。
私は布団と服くらいしか持ち出す荷物は無かったので、わりとその作業は楽だった。
部屋の前にその荷物を置いておいたら、
篤の後輩が軽トラへと運んでくれた。
そして、大きめの鞄を手に持っている。
この鞄の中には、携帯や貴重品と、
ナツキの部屋の鍵と指輪が入っている。
ナツキにいつか返さないとな。
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