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私と成瀬がホストクラブから出て、
その階段を上がろうとした時。
「広子」
背後からそう呼ばれ、私と成瀬は振り返った。
そこに立っていたのは、須田で。
「今夜は指名されてないけど、送りに来た」
そう言われて、私は以前この店で須田を指名していた事を思い出した。
「やっぱ、俺はナツキさんには敵わないわ」
そう言って、須田は笑っていて。
「あのさ、気になってたんだけど。
須田は今はナンバー3なの?」
元々ナンバーワンだった須田がナツキに抜かされて、順位が落ちるのは分かる。
けど、その元々ナンバー2のレンって人にまで抜かされてて。
「ああ、レンさん。
あの人、なんでかナンバー2が好きみたいで。
俺がナンバーワンの時も、頑張って俺を抜かさないようにしてたみたい」
「そうなんだ…」
よく分からないけど、一位のプレッシャーが嫌だったりするのだろうか…。
上に誰かが居る方が、そんなに目立たなくて居心地がいい、的な。
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