最終章

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「ナツキさん弱ってる間も、太い客にはこまめにLINEしたり、 会ったりしてずっと繋いでたみたいで。 広子、お前本当はそれ知ってて、俺に黙ってたんだろ? ナンバーワンになって浮かれている俺見て、絶対心の中で笑ってただろう?」 そう言う須田は、特別私にそれを怒っている訳ではなく、 相変わらず楽しそうな口調だけど。 えっ?と私は考えてしまう。 私、ずっとナツキと一緒に居て…。 思い返すと、私が台所に立っている時とか、 ナツキはソファーに座り私に背を向けてテレビを観ていた。 もしかしたら、その時とかに、 スマホをいじりお客さんにLINEをしていたのかもしれない。 それに、私が病院に行ってる間や、 ナツキ本人が病院に行った後とか…。 私はその後の夕方迄の空白の時間を、 勝手に榊原先生とプライベートでも会っていると思っていたけど…。 分からない…。 本当に、一体、いつ? 分からない…。 「へぇ、やっぱりナツキは凄いんだな」 部外者の成瀬は、単純にそう感心してるけど。 私は、そんなナツキと本当に別れて良かった、と思ってしまった。 こんなにも、嘘の上手い男と。
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