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「でも、本当に早くあの家出たいんだよなぁー。
なっちゃんとあのオッサン、マジでラブラブで、なんか俺居づらいんだよなぁ」
そうため息を吐いているけど、
成瀬はそれなりになっちゃんとその旦那さんの井上さんと三人、
仲良く暮らしている。
「私、スーパー戻ったばかりだから、
あんまり遠くに引っ越ししたくないんですよねー」
私はまた、以前アルバイトしていたスーパーへと戻った。
同じ、アルバイトとして。
多分、周りは私がAVに出ていた事を知っているのかもしれないけど、
特に誰かに何かを言われる事はなく。
今の所、普通に働けている。
「じゃあ、そのスーパーの近くで、
部屋探すか」
勝手に、もう同棲する方向で話が進んでいて。
「どうせなら、もうこのまま結婚するか?」
「えっ」
もしかして、それってプロポーズなのだろうか?
そんな大事な事を、なんでこんな簡単にサラッと言うのだろう。
少し、ムッ、として成瀬を見ると。
成瀬は緊張したように、私から顔を反らして俯いている。
ああ、なるほど。
初めから、今日は私にプロポーズするつもりだったんだな、この人。
「いいですよ」
そう言うと、成瀬は安心したように笑った。
《終わり》
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