新しい生活

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その軽トラの一台に、私と篤とその篤が斗希と呼んでいた人物が乗る。 その斗希さんが運転していて、 助手席に篤。 私は後ろの席で、花子を抱いて座っている。 その斗希さん、他の篤の後輩達と違って、なんというか普通。 いや、顔はけっこうイケメンなんだけど。 篤の後輩達は、篤と同じくけっこう悪さしてそうな風貌なのだけど、 斗希さんは普通に大学生とかに見える。 髪も黒いし。 「篤、お前これからはもうちょっと真面目に生きろよ」 「は?俺は今までも真面目に働いてたつーの」 篤にお説教のような事も言っていて、 本当に篤の友達なのかな? 「お前、斗希がイケメンだから、色目使ってんじゃねぇぞ!」 私がその斗希さんをジーと見過ぎていたからか、 篤が振り返りそう怒鳴る。 「べ、別に、イケメンだから見てたわけじゃないし! 篤の友達にしては、凄くまっとうそうだから、不思議で見てただけだし!」 その言葉に、斗希さんは笑っているけど、 篤は眉間の皺をさらに深くした。 「確かに、こいつは俺のダチの中では、唯一まともかもしんねぇ。 T大で将来は弁護士になるとか言ってるしよ」 T大生…。 日本最高峰のその大学名に、 絶句してしまう。
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