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「篤とは家が近くて同じ歳で、物心付いた頃から仲良いんだ。
篤とは気が合うし」
斗希さんのその言葉に嘘はないのかもしれないけど。
「篤とT大生が気が合うわけないと思うんだけど…」
「うっせぇな。
なんか気が合うんだよ」
そう言った篤は照れ臭そうで、
その斗希さんの事がとても好きなのは分かった。
「広子ちゃん。
篤、本気で広子ちゃんの事好きみたいだから、
よろしくね。
篤は大事な親友だから」
「お前も、ほんとうっせぇな」
斗希さんのその言葉に、篤はさらに照れ臭そうで。
「はい…」
その斗希さんにそう答えるけど、
この人は私が元AV女優だと多分知っているだろう。
バックミラー越しに私を見るその目が、
私の事を認めていないように見えた。
親友の彼女として、私は不合格なんだろうな。
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