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篤との新しい新居は、引っ越す迄のお楽しみだと、どんな所なのかそれ迄知らなかった。
事前にアパートだとだけは聞いていたけど、
それは新築で、私が思い描いていたアパートとは違い、
とても綺麗で素敵。
花子も気に入ったのか、
まだ何もないその部屋をニャーニャーと走り回っている。
エアコンも電気のシーリングも元から付いていたのか、
後は、私達の荷物を入れたら完璧。
「スッゴイ広い」
私も靴を脱ぎ、その新居に上がる。
「駅からちょっと遠いけど、この辺り便利だし。
ペットオッケーだし、一階なら花子の足音とかもそんな気にしなくていいだろ」
篤も玄関で靴を脱いで、こちらへと来る。
「猫はそんな足音立てないだろ」
斗希さんは玄関先で、そう言って苦笑している。
そして、
「俺、これから人と待ち合わせあるから帰る。
またLINEする」
篤の返事も待たず、その斗希さんは姿を消した。
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