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引っ越しは、数時間で終わった。
篤の後輩達は、引っ越しが終われば、その二台の軽トラでさっさと帰って行った。
引っ越し中、篤とその後輩との会話が聞こえて来て、ちょっと気になった。
「斗希さんのあの黒のデカイ車あったら、
軽トラ二台も借りなくて良かったっすよねぇ」
「あー、俺年末飲んだ時アイツに車借りたんだが、アイツの車でタバコ吸ったから、それでキレてて。
だから、今日も車出さねぇって」
あの初日の出の時、篤があの大きい車を借りたのは、
斗希さんなんだ…。
‘ーーいや。
女引っかけてひとけのない山とかドライブして、そのまま車ん中でヤる為に広い車買ったって言ってたなーー’
「斗希さんが将来弁護士って、ある意味怖いっすよねぇ。
中学の時も篤さんと違って、裏で色々とバレないようにやってましたもんね。
家も金持ちだから、親が金使って色々もみ消してるみたいだし」
「まぁ、いい奴なんだけどな」
その会話を私は聞いていない振りをしたけど。
斗希さんと篤はやはりとても気が合うのだろうな。
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