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「はーい」
有川さんが顔を出す。
「今、いただいたゲイシャを淹れたんだよ。よかったら、最初に飲んでみて。コーヒーだけじゃ味気ないから、ケーキも一緒に」
俺は手にしていた保温用の水筒と紙袋を、有川さんに手渡した。
有川さんは遠慮がちに、それを受け取ると、何度も何度もお礼を述べた。
「お友達も呼んで、みんなで楽しんだらいい。なかなか飲めるもんじゃないから。足りなかったら、また持ってくるよ」
俺はこの豆を楽しんでもらいたくて、そう言った。しかし、返ってきた返事は意外なものだった。
「あの…もしよかったら、一緒に飲みません?このゲイシャ」
この展開、40代には衝撃が強すぎる。
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