若者はコーヒーと一緒に

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若者はコーヒーと一緒に

 暦の上では春になった。  と言っても、あくまでも暦上の話。十分に寒い。だったら春なんて呼ばなければいいのに。  その日は陽射しが暖かかった。でも風は冷たく、とても外出する気にはなれない。  掃除、洗濯が済んだら、ゆっくり録画してた映画でも見るか。朝のコーヒーを飲みながら、そんなことを考えた。  簡単な朝食を終え、使った食器を洗い、窓を開けて、ざっと掃除機をかける。40年以上、独身を続けてるんだ。これくらいは朝飯前。  ひと通り掃除機をかけ終え、納戸に片付けている時、インターホンが鳴った。液晶を見ると、1人の女性が立っている。  カジュアルな服装からして、押し売りや勧誘などではなさそうだ。  普段なら無視するのだが、今日は休日。気持ちの余裕もあり、俺は玄関の扉を開けた。  見たことのない可憐な女性が、そこにいた。
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